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心の取り扱い説明書「ヨガ哲学」③
おうちヨガto smile
~もっと人生が豊かになるヨガ教室@大山・中板橋・常盤台~
おはようございます。
日常生活でも実践できる「ヨガの教え」についてのお話です。
ヨガとは、「心の働きをコントロールして鎮めること」です。
そこに至るまでに、ヨガの実践には8つの段階があるというヨガの思想「八支則」のお話をしてきました。
ヨガの実践の基盤となる最初の2つ「ヤマ(日常生活で行わない方がいいこと)」・「ニヤマ(日常生活で行った方がいいこと)」には、それぞれ具体的に5つのことが記されています。
それぞれ、私自身の解釈も含めて、簡単に説明していきたいと思います。
【ヤマ(日常生活で行わない方がいいこと)】
・アヒムサ:暴力を振るわないこと。
身体的な暴力だけでなく、言葉の暴力や精神的暴力も含みます。
万物に対して非暴力であると同時に、自分に対しても優しくありましょうという非常に大切な心得です。
・サティア:嘘をつかないこと。誠実であること。
他者に対して嘘をつかないことはもちろん、自分の心にも正直であり、行動や考えにおいて常に誠実であるという教えです。
嘘や偽り、不誠実な状態を抱えながら、清々しい気持ちでいることは難しいものです。
・アスティア:盗まないこと。
他者から、もの、時間、利益、権利などを盗まないことです。
時間を盗まないということは、例えば待ち合わせの時間に遅れたり、行列に割り込んだり、相手の話をさえぎってしゃべり出したりするなどがあげられます。
・ブラフマチャリア:禁欲。肉体的・精神的な快楽を求めすぎないこと。
規律正しい生活をすることです。
性欲などの欲望でエネルギーの無駄遣いをせず、五感の赴くままに生きるのではなく、必要なところにエネルギーを集中させるという教えです。
・アパリグラハ:むさぼらないこと。
沸き起こる欲望に身を任せず、本当に必要なものだけを所有しましょうという教えです。
物欲を手放し、不要なものを抱え込まず、必要以上のものを欲しがらず、今以上に多くを望む前に、自分の内側に幸せを見出し、今手元にあるもので満足することです。
【ニヤマ(日常生活で行った方がいいこと)】
・シャウチャ:自分自身の心や身体を常に清潔に保つこと。
自分自身や身の回りを清潔に保ち、感情や考え方も清らかであることの教えです。
ヨガでは、私たちの身体は与えられた「道具」と考えられています。道具が錆びつかないよう、常にきれいに手入れをしておくことで、適切な時にきちんと使うことができるのです。
・サントーシャ:知足(足るを知る)。満足すること。
必要以上の贅沢をせず、自分の置かれている状況や環境、仕事、人間関係、自分の能力など、今自分が持っているものに価値を見出し満足する心得です。
思わしくない状況に陥っても、不平不満を漏らすのではなく、他者を羨んだり妬んだりせず、ありのままの事実を受け入れることが大切です。
先のアパリグラハ(むさぼらないこと)にも通ずる考えです。
・タパス:鍛錬すること。苦行。
「焼く」という意味が語源ですが、心を強くするために、日々強い決意と火のような気合を胸に抱くというとても熱い教えです。
困難なことや不都合な状況を受け入れる強い人間に成長することを目的として、やるべきことから逃げず、毎日コツコツと実践していくということです。
・スヴァディアーヤ:常に学びを深め、精神的な向上を行うこと。
常に学び続ける姿勢を持ち、自分自身をより深く理解しようとする教えです。
もしかすると、今抱えている問題も、知識を増やすことで解決するかもしれません。
また、自分自身について学びを深めることで、不安やイライラの原因が分かるかもしれません。
知らない、わからないと諦める前に、何歳になっても、どんな健康状態になっても、常に学び続けることが大切です。
・イーシュヴァラ・プラニダーナ:万物に対して、感謝の気持ちや献身的な心を持って生きること。
自分ではどうすることもできないこと(自然の力、時代の変化など)を受け入れ、神様のような大きな力を信頼し、身を委ねていくという教えです。
仕事があること、家があることなど、当たり前に思っていることに感謝します。
そして、「今」を大切にし、「今やるべきこと」を丁寧に誠実に行うことこそが献身ということになります。
「ヤマ」・「ニヤマ」はやったからと言って誰かに褒めてもらえるものではありませんし、やらなくても誰にも怒られません。
しかし、日常生活の中にきちんと落とし込むことができれば、確実に考え方や生活は変わっていくはずです。
完全に全てをきちんと行うことは難しいですが、少しずつ日常に取り入れてみてくだい。